私たち家族だけのハウジングストーリー

二人目の子供を授かった。

半年後には、私たちも4人家族になる。

もうすぐ2歳になる娘はアンパンマンが大好きで、家の中もぬいぐるみでいっぱいだった。

どう考えても手狭になる。

結婚してすぐに越してきた2LDKの部屋では足りなくなるのも当たり前だった。

広めの賃貸に引っ越すか。

それともマイホーム?

家賃はもったいない気もするし、周りの友達からもマイホームを手にしたという話をチラホラ聞くようになった。

気づいたら最近インスタにも家のことばかりが表示されるようになっていた。

 

主人はあまり乗り気ではない。

そもそも家は寝れればいいくらいに考えているフシがある。

インスタにおしゃれな部屋の画像が出るたびに見せているが、その反応も少しずつ鬱陶しそうに感じるようになっていった。

 

どこにも出かける予定のなかった休みの日、思い切って主人を連れ出し、モデルハウスにいくことにした。

見るだけタダだし、今後の勉強にさ、という私の言葉に渋々重い腰を上げた形だった。

入る時にはそれなりに緊張があったが、目の前に広がる明るいリビングやおしゃれなキッチンに心が躍った。

雲一つない青空も、私の心を鮮やかに彩った。

こんなおうちで子育てが出来れば。

産まれてくる子と4人で過ごす休日が、笑い声と共に心の奥底に広がってくるようだった。

 

営業の人との会話も弾み、着座を勧められた。

コーヒーと娘用のオレンジジュースが出てくる。

話は資金計画のことになっていった。

正直、マイホームの為に計画的に貯蓄をしてきたわけではなく、自己資金が豊富ではない。

住宅ローンの支払いは、今より広いところに住むことを考えれば、家賃より少し高くなっても仕方がないと思っていた。

しかしその後、営業の人が口にした言葉は、私の心をズタズタに引き裂いた。

 

「その資金計画では、マイホームは無理ですよ」

 

主人はあれ以来、家の話にはあからさまに嫌な顔をするようになった。

SNSやポータルサイト、情報だけはたくさん入ってくる。

でもそれらは、誰かには有益でも、私たち家族にとって有益かどうかは分からない、というより判断が付かない。

私たちに合ったマイホームがどこかにあるはずだ。

問題はありすぎる情報の中で、それをどうやって見つけるかだった。

 

(つづく)